史上最大の恐竜!他に類を見ない巨体「アルゼンチノサウルス」
現在の地球において陸上最大の生物とされるのはゾウ類である。しかし太古の恐竜時代にはそのゾウですら赤子扱いされてしまうほどの、巨大生物が確かに存在した。
恐竜という生物に巨大な体を持った種類がたくさん存在したことは今ではもはや語るまでもない。実際数多の恐竜たちの中には長い地球上の歴史の中で最大、最大級とされる者たちも数多く存在する。今回はその恐竜たちの中で史上最大級と称される。超巨大恐竜を取り上げる。
史上最大の恐竜
史上最大の恐竜とされるその恐竜の名は、「アルゼンチノサウルス」、名前の意味はアルゼンチンで見つかったことから、そのままの意味で「アルゼンチンのトカゲ」である。
1993年にアルゼンチンのネウケウ州で脊椎と脛骨、不完全な肋骨、仙骨の化石が見つかった、約1憶1200万年前の白亜紀前期から9350万年前の後期初頭にかけて存在していたとされる。白亜紀の時点でこれだけ巨大な竜脚類が見つかるのも珍しいことである。
これほど巨大な生物は現在の地球では海にすむ、これまでの地球の歴史上、恐竜も含めて確認され、存在した全生物の中で史上最大の生物種とされる、シロナガスクジラだけが唯一比較される存在である。
同等の体格を持つ恐竜は、同じ竜脚類であるディプロドクスだとされるが、体重は彼らの7倍はあった。
アルゼンチノサウルスは史上最大級の恐竜とされている。発見された脊椎の大きさはなんと130センチ、脛骨は155センチと恐ろしく大きく、近縁種との比較の結果、全長は35メートル、これは12階建てのマンションとほぼ同じ大きさである。
体重は70トンもの重量に達したとされる、当初は60メートルとされた、半分ほどの大きさになったがそれでも十分でかい。アルゼンチノサウルスの体格は「陸生生物が大きくなりうる限界点の大きさ」とされる。
このことから「過去最大の恐竜」という結論に達したほど。生まれたときの体長は50センチ、体重は5キロと平凡な体格だが、これほどの巨体に達すまでの年数も相当なもので、成長しきるまで40年はかかったとされる。
成長のピーク時には1日で体重は最大40キロも増加するなど、急激に成長が進んだとされる。発見された当初は体重100トンと現実的ではないほどの重量を持っていたとされたが、肉体の構造上、この重さは現実的ではなく、前述の通り70トンほどだったとされる。それでもすさまじく重いことには変わりない。
これほどの巨体のせいで歩くときには地響きすら起こしたとされており、捕食者からしてみれば発見しやすいことこの上なかったが、大きすぎて捕食者もほとんど手が出せなかったとされる。
アルゼンチノサウルスの天敵
天敵とされたのは同時代に生息した最大級の肉食恐竜である、ギガノトサウルスやマプサウルスだとされているが、彼らでも老齢で弱った個体やそこまで大きくない幼体、亜成体(人間でいう成人一歩手前の年齢)、ぐらいしか狙えず、しかも襲うにしても複数でかからなければならなかったであろう。
そうでもしなければとても仕留められたものではないほどの怪物的巨大さを誇った。1997年にアルゼンチン、パタゴニアでアウカ・マウエボという全長15キロになる恐竜の営巣地帯が発見され、そこからは数万個という大量のアルゼンチノサウルスの卵の化石も発見された。
卵の中には極めて保存状態がよい胚が残されていた化石も存在していた。その胚を調べると、生まれてすぐに食物を食べられるようにすでに歯が生えそろっていたのである。しかもその営巣地からは「スコルピオヴェナトル」という肉食竜の完全な化石も発見され、生まれたばかりのアルゼンチノサウルスを狙っていたことは想像に難くない。
ちなみに中国ではこれまた一風変わった発見があった。彼らと同じほどの巨体の恐竜が歩き、その足跡があまりの重みのせいで、数十センチに達する穴となり、そこにワニやカメ、小型の恐竜が落ちてしまったとされる、足跡の落とし穴の化石が見つかったのである。アルゼンチノサウルスも70トンもの重量なら意図せずして落とし穴をいくつも量産していたかもしれない。
史上最大の巨体を誇ったまさに神をも思わせる超巨大竜、アルゼンチノサウルス、彼らの出現は地球の生物史に多大な歴史と存在を示すに至った。