恐竜たちの時代はここから始まった!、すべての始まり三畳紀!
最初の恐竜時代
今回の記事は立派な恐竜時代の一つに数えられる時代でありながら、まだ恐竜が主役といえない時代ゆえか、このサイトでもあまり取り上げなかった時代について取り上げる。その始まりの時代の名前は「三畳紀」、現在から約2憶5100万年前から1憶9660万年前までの恐竜たちがこの地球上に出現し始めた時代であり、ここから2億年にわたる恐竜時代が始まるのである。
この時代の恐竜の種類は、後の時代のジュラ紀、白亜紀に比べるとずっと数が少なく、その恐竜たちもどれも似たような姿をしていた。もっと厳密にいえば恐竜たちも三畳紀の後期にようやく数が増え始めたものばかりで、それ以前の地球上で栄えていた生物はペルム紀の大絶滅を辛くも生き延びた後の哺乳類の祖先になる、単弓類の生き残りとワニの祖先になるクルロタルシ類という2種の生物以外にいなかった。
それどころか恐竜は地球上の比率では10パーセントにも満たない少数派の生物でしかなかった。
再生したが、過酷なことは変わらず
この時代以前にはペルム紀末期の地球史上最悪規模の大絶滅があり、地球上の生物はほぼ死に絶えていた、これが三畳紀における恐竜誕生の大きなきっかけにもなったのである。
この時代の大陸は超大陸の異名を取る巨大大陸「パンゲア」が形成されており、更にこの時代はペルム紀末期の環境変化が原因で大気中の酸素濃度はわずか10%ほどにまで低下してしまった。これは人間なら酸欠状態になってしまうほどの酸素濃度である。
この低酸素の環境下で唯一生き残ることができたのが、体内に横隔膜を持っており、効率的な呼吸法で体内に酸素を取り込むことができた、単弓類と現生の鳥類と同じ気嚢を用いた呼吸機能を備えていた、初期の獣脚類、恐竜の祖先たちであった。
三畳紀の全容を見ても、恐竜よりもほかの生物の存在が目立っていた。恐竜たちはまだ地球に出現しだしたばかりで、特筆すべき特徴も持っておらず、どの恐竜同士もお互いが同じような姿かたちのものばかりであった。
この時代にすでにワニ類が出現し始め、カメ類、原始翼竜が現れた。ちなみに、クルロタルシ類は繁栄の頂点に達し、主要な支配者だったが、三畳紀の終わりの絶滅により大打撃を受けてしまい、ワニ類を生み出したがここで繁栄はついえてしまった。
そしてこの時代に哺乳類たちも同様に出現したがこの時から小型で、下手なネズミよりも小型の者までいたほどであった。サメ類もこれ以前のペルム紀の大絶滅の影響を受けたが現在でも幾多の種類が生存していることを見れば、辛くも乗り切ることができたということだろう。
シダなどの裸子植物もすさまじい繁栄をみせ、針葉樹も現れだした。爬虫類の多くは乾燥に対抗できるよう鱗や強固な皮膚、固い甲羅で乾燥に対抗して陸上に進出し適応しだした。
生き延びて、後に玉座へ
そういった数千万年の月日をかけ、再生に乗り出したものの、この時代にも大量絶滅が訪れた。
絶滅の原因は小型隕石の衝突か火山活動の活発化のどちらかだとされる。その絶滅は比較的小規模なものだったが、その原因の大きな要素が酸素濃度の低さだったのである。これは効率的な呼吸法をすでに備えていた初期の恐竜には乗り越えられるものだったが、それ以外のこの時点で呼吸法を完全なものにしていた爬虫類や哺乳類などの一部の例外を除いてはこの低酸素化の環境に適応ができなくなってしまい、やがて絶滅に至ってしまったのである。
恐竜が生き残れた理由にも彼らが乾燥に強かったからともされている。彼らの卵はこの時点で両生類のようなやわな膜につつまれていたものとは違い、強固で乾燥に強い「殻」に包まれていたため生存率江尾大幅に上げることができたのが後々の繁栄につながることになるのである。
絶滅を乗り切りライバルたちも消えた恐竜たちにとってこれ以上の好機はなかった。これ以降恐竜たちは多様な種類を続々と排出し続け名実ともに地球の覇者となって、約2憶年にわたり地球を支配し続けるのである。
あらゆる面において恐竜時代の幕開けに至ることになる三畳紀、ここから恐竜の繁栄が始まり、生物史において彼らの立場はゆるぎないものとなるのである。