シュノサウルス:ジュラ紀の中国を駆け巡った「蜀のトカゲ」
概要
シュノサウルス(Shunosaurus)は、約1億5,900万年前のジュラ紀中期に現在の中国大陸で生息していた竜脚類の一種です。その名前は、発見地である中国四川省の古称「蜀」に由来し、「蜀のトカゲ」を意味します。
発見と研究の歴史
1977年、中国四川省でシュノサウルスの化石が初めて発見されました。この発見以来、複数の全身骨格や状態の良い化石が発掘されています。1983年には、董枝明(Dong Zhiming)らによって新種新属として記載されました。
特徴的な尾の棍棒
シュノサウルス最大の特徴は、尾椎の最後にある棍棒状の構造です。この棍棒は、尾椎の最後の3〜5個が融合して形成され、2対の棘が付いていることで知られています。この棍棒は、肉食恐竜から自身を守るための武器として使われたと考えられています。
サイズと体形
シュノサウルスは全長約10~15メートル、体重は約3トンと推定されており、竜脚類としては比較的小型の部類に入ります。首は竜脚類の中では短めで、頭部も他の竜脚類に比べて小さいとされています。
食性と生態
草食恐竜であるシュノサウルスは、低い植物を主食としていたとされます。短い首を持つことから、地上近くの植物を食べることに特化していた可能性があります。また、群れで生活していたとする証拠もあり、社会性のある恐竜であったかもしれません。
現代への影響
シュノサウルスの発見は、ジュラ紀の中国における竜脚類の多様性を示すものであり、古生物学において重要な意味を持ちます。また、シュノサウルスは一般にも比較的よく知られた恐竜の一つとなり、恐竜展示や教育的なコンテンツで頻繁に取り上げられています。
まとめ
シュノサウルスは、その独特な尾の棍棒や比較的小型の体格で知られるジュラ紀中期の竜脚類です。中国四川省に生息していたこの恐竜は、ジュラ紀の古代生態系における竜脚類の生態に新たな光を当てています。