ベールゼブフォ:白亜紀最大の巨大ガエル、恐竜を狙う捕食者
白亜紀の獰猛なカエル、ベールゼブフォの登場
恐竜時代には、多種多様な生物がこの地を支配していました。その中で、巨大で獰猛なカエル、ベールゼブフォが存在していたのは驚きの事実です。その名前は、キリスト教における「暴食」を象徴する悪魔に由来するもので、体長約40㎝、体重は4キログラムにも達し、「史上最大のカエル」と称されるほどです。
驚異の肉食性カエル
約6500-7000万年前のマダガスカルに生息していたベールゼブフォの初の化石は1993年に発見されました。以後、60体分以上の化石が集められ、研究が進められています。その外見や骨格から見ると、現代の南米のツノガエル類と似た特徴を持つことが確認されています。
ツノガエルは肉食性を強く持つカエルで、哺乳類やヘビさえ捕食対象としています。ベールゼブフォもこれに類似し、その強靭な頭部から発揮される咬合力は、約50㎏とも言われ、オオカミに匹敵するとされています。
小型恐竜すら脅かした存在
ベールゼブフォの具体的な食性は定かではありませんが、現代のツノガエル類との類似性や、その身体の特徴から推測すると、幼体の恐竜や小型恐竜をも捕食していた可能性が高いと考えられます。
ベールゼブフォが生息していたマダガスカルは、ゴンドワナ大陸が分裂する中で形成された孤島でした。この地での絶滅の要因は明らかではないものの、大型生物は環境の変動に敏感で、適応困難なケースが多いとされています。
恐竜が君臨する白亜紀の生態系に、恐竜とも争えるカエルが存在していたことは、その時代の多様性と驚異を物語っています。