ドレッドノータス:恐れ知らずの戦艦越え巨大恐竜
「ドレッドノータス」: 発掘から新たな謎まで
日本の恐竜研究界には、「ムカワリュウ」のような重要な発見が多い。しかし、2010年代以降の研究は新たな巨体を明らかにした。「ドレッドノータス」の発見は、9年間の綿密な発掘作業の結果、約70%の骨格が明らかとなった。
1. 名前の由来
「恐れ知らず」の意味を持つ「ドレッドノータス」。名前のインスピレーションは20世紀初頭のイギリスの巨大戦艦から。この名は、この恐竜の巨大さを強調するものとなっている。
2. 生息時代と特徴
この恐竜は白亜紀後期、約8400~6600万年前にアルゼンチン付近に生息していた。推定全長26m、体重40~60tのティタノサウルス類の新種恐竜で、その大きさは現代のボーイング737旅客機とほぼ同等である。
3. 発掘の過程
2005年、最初の化石がアルゼンチンで発見された。その後、9年間の研究と発掘が行われ、非常に稀な成功例として70%の骨格が明らかになった。胴体、首、尻尾の骨など、主要な部分がほぼすべて発掘された。
4. 生態
ティタノサウルス類は、史上最大の恐竜とも言われるアルゼンチノサウルスも含む大型種のグループで、ドレッドノータスもその一員として特筆される。食事中心の生活で、特徴的な棒状の歯で高い位置の葉を食べていたとされる。
5. 天敵との関係
その巨体から、事実上の天敵は存在しないかと思われがちだが、カルカロドントサウルス類など、この時代の巨大肉食恐竜との関係も研究課題として残っている。
6. さらなる謎: 成長途中の可能性
最も興味深い指摘の一つは、この個体がまだ成長途中だった可能性があることだ。成熟すれば、全長40m、最大で50mに達するかもしれない。
7. 体重の疑問
体重に関する議論は絶えない。一部の計算によれば、60tよりも20t軽い可能性があるとのこと。恐竜の体重計算の困難さを踏まえ、新たな研究やアプローチが求められている。
この「ドレッドノータス」の発見は、恐竜研究界に新たな風をもたらした。その巨大さと謎に満ちた生態は、今後の研究の方向性を示唆している。