ドロモルニス: 古代オーストラリア史上、最も巨大な飛べない恐鳥類の謎
分類と進化:
ドロモルニスは、古生物学的に注目される恐鳥類の一種であり、オーストラリア原産で、過去のオリゴセンからプリオセン時代にかけて存在していました。この種はドロモルニス科(Dromornithidae)に属し、ドロモルニス australis, ドロモルニス murrayi, ドロモルニス planei, ドロモルニス stirtoni の4種がこの属に含まれています。ドロモルニスの名前は古代ギリシャ語で「走る、競走」と「鳥」を意味し、この名前はこの恐鳥類の特徴を表現しています。体の特徴とサイズ:
ドロモルニス・スティルトニは、ドロモルニス属の中で最も大きな種であり、体重は最大で500kgから650kg、高さは3メートル以上に達するとされています。これにより、ドロモルニスは、新西ランドのジャイアント・モアよりも重く、マダガスカルのエレファントバードよりも高かったと言われています。この巨大な体サイズにより、「地球史上最も重い鳥」とも称されています。食事と生息地:
ドロモルニスは主に草食動物で、柔らかい葉や果実、硬い植物類の茎を食べていたとされています。肉食、腐肉食、雑食性も兼ねていた可能性が指摘されていますが、その巨大なクチバシは、果実や種子、硬い植物類の茎を切断するために使っていたとされる。ドロモルニスの生息地はオーストラリアの亜熱帯域の開けた森林や草原地帯で、豊富な水源と森林が存在し、生きていくのにそこまで労力はいらなかったとされています。歴史的背景:
ドロモルニス属は、1872年にリチャード・オーウェンによって設立されました。1839年に最初に強靭な足の骨が見つかったのが始まりで、後にノーザンテリトリーで全身の化石が発見されました。それ以来、5属7種が発見されるに至りました。恐竜絶滅後の直後に出現し、かつては飛行していたが後に地上に適応した「恐鳥類」と考えられています。絶滅の原因と現代への影響:
ドロモルニスの明確な絶滅の原因は未だに判明していないが、約6万年から4万8000年前にオーストラリアに入植者が来て、狩猟を行い大量の火を使われたことや、氷河期の終わりに向けての乾燥と環境の激変が影響を与えた可能性が高いとされています。この時期は哺乳類が進化し、地球上の生態系の上位に立ち、恐鳥類は哺乳類との競争に敗れ、絶滅に追い込まれたとされています。しかし、先住民の伝承でこの鳥のことを示したものも見つかっており、少なからずオーストラリアに人類がいた頃には、ドロモルニスもいたとされています。