極小肉食恐竜を再発見!マレリラプトルが示す“インドの捕食者”戦略とは?
「インドで、こんな小さな肉食恐竜が見つかったんだって?」
そう聞くと、驚きとともに好奇心が湧いてきますよね。今回は、マレリラプトル・クッティイという新種の極小肉食恐竜を取り上げます。
小さいからこそ見えてくる、生存戦略や地理的適応――220 M年前のインドでどんな暮らしをしていたのでしょう?
小型すぎる“ハンター”
マレリラプトルの全長は、**約2 m**。立った高さは**1 m強**という、ティラノのような“王者”とは正反対の小柄さ。
- 身長:約1 m、体長:約2 m
- 両足で立って獲物を追いかける二足歩行
- 体重は数十kg程度と推測
とはいえ、この小ささが「夜行性」「素早い動き」を可能にし、小さな獲物を効率よく狙っていたのかもしれません。
インド発、ヘレラサウリアの存在証明
ヘレラサウリアといえば、南米で知られていた初期の肉食恐竜グループ。インドで見つかったことで、**その分布が大きく広がった**ことになります。
- 南米以外で初の同類発見(アルゼンチン・ブラジルが従来の中心)
- 220 M年前の三畳紀後期、Norian期のインド地層より出土
- 気候的に南北アメリカ南部と類似していた可能性
→ この発見は、**地理や気候によって捕食恐竜の広がりが左右されていた”という生態のパズル**に新たなピースを加えます。
小さな体で、大きな生存力
小型であることは、巨大恐竜に比べて不利と思われそうですが、意外にもこの小ささが生き残りに有利だった証拠もあります。
- リュンクサウルス類絶滅後もインドで生き延びた
- 南米では姿を消した後でも、ここでは環境に適応していた
- 干ばつや気候変動への耐性、素早い繁殖などが背景か
大きくなくても、**“しぶとく生き続ける体質”**こそが、生存を支えた可能性があります。
なぜインド?地球のパズルをつなぐ場所
当時のインドは**ゴンドワナ大陸**の一部で、気候は今の北米南部に似ていたと考えられています。つまり、**寒冷にも適応可能だった**わけです。
- Alwalkeriaなど同地層で他の獣脚形類とも共生
- サウロポド型大型草食恐竜と同時期に共存
- インド・南米間の気候的類似性が生息範囲を広げた要因
このように、**気候と地理が共鳴し、彼らの居場所が広がった**証拠でもあります。
おわりに|極小捕食者が語る進化の物語
マレリラプトル・クッティイは、**小さいけれど力強く、生き延びた恐竜**でした。
「大きさ」に囚われずに、その環境・体質・生態を見つめると、**進化の幅広さ**を感じさせます。
次に恐竜の本を開くときは、「小さいけど、たくましい存在」にも注目してみてくださいね。
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