クリンダドロメウス:シベリアで発見された羽毛を持つ初期の鳥盤類恐竜
クリンダドロメウス(Kulindadromeus)は、ジュラ紀中期から後期(約1億6000万年前)に現在のロシアシベリア南東部に生息していた鳥脚類恐竜の一種です。クリンダドロメウスは、羽毛を持つ鳥盤類恐竜として注目されており、その発見は恐竜進化の理解において重要な役割を果たしています。
発見と命名
クリンダドロメウスの化石は、ロシアのザバイカリエ地方、チェルニシェフスキーのユクリスカヤ層から発見されました。2014年にベルギー王立自然史博物館の古生物学者パスカル・ゴデフロワ(Pascal Godefroit)らによって新属新種として記載されました。学名の「Kulindadromeus」は、発見地であるクリンダ川(Kulinda River)と「ランナー」を意味するギリシャ語「dromeus」に由来しています。
特徴
クリンダドロメウスは全長約1.5メートル、体重約2キログラムの小型の恐竜で、二足歩行で移動していたと考えられています。この恐竜の最大の特徴は、体の大部分が羽毛で覆われていたことです。クリンダドロメウスの化石からは、少なくとも3種類の異なる羽毛が確認されています。これらは、短く細い針状の羽毛、リボン状の構造を持つ羽毛、そしてより長くて流線型の羽毛です。また、尾や後肢の先端部分には鱗が確認されており、これは一般的な恐竜の特徴です。
進化的意義
クリンダドロメウスの発見は、これまで羽毛が確認されていた恐竜が主に獣脚類に限られていたことに対して、新たな視点を提供しました。鳥盤類恐竜からも羽毛が見つかったことにより、羽毛が恐竜の広範なグループに共通する特徴である可能性が示唆されています。これにより、羽毛が恐竜の共通祖先から受け継がれた特徴であり、全ての恐竜が何らかの形で羽毛を持っていた可能性があると考えられるようになりました。
重要性と保存状態
クリンダドロメウスの化石は、非常に保存状態が良く、骨格だけでなく羽毛や鱗の痕跡も詳細に確認されています。これにより、恐竜の皮膚や羽毛の構造、そしてその進化についての理解が深まりました。この発見は、恐竜の進化史を解明するための重要な証拠であり、今後の研究においても重要な位置を占めるでしょう。
まとめ
クリンダドロメウスは、羽毛恐竜の進化において重要な発見であり、その存在は、恐竜全体に羽毛が広がっていた可能性を示唆しています。ジュラ紀中期から後期にかけてのロシアに生息していたこの小さな草食恐竜は、恐竜進化史における新たなページを開く存在となりました。