ササヤマグノームス発見!日本初の角竜類恐竜の全貌と進化の謎
ササヤマグノームス(Sasayamagnomus saegusai)は、兵庫県丹波篠山市の篠山層群大山下層(約1億1000万年前の白亜紀前期)から発見された新属新種の角竜類です。2024年に正式に記載され、日本初の角竜類として注目を集めています。
発見と命名
この恐竜の化石は、2007年から2008年にかけて発掘されましたが、その後の詳細な分析によって、新属新種であることが確認されました。属名の「ササヤマグノームス」は「篠山の地下に隠された財宝を守る小人」に由来し、種小名の「saegusai」は、長年にわたり篠山層群の調査に尽力した古生物学者、故三枝春生博士を讃えたものです。
特徴と生態
ササヤマグノームスは、全長約80cm、成長途中の個体であると考えられています。この恐竜はトリケラトプスのような大型の角竜類とは異なり、角やフリルが発達していない原始的な角竜類です。骨の内部構造を調べた結果、若い個体であることが確認されており、成体はもう少し大きくなったと推測されています。
進化と生息環境
系統解析の結果、ササヤマグノームスは北米で発見された原始的な角竜類であるアクイロプス(Aquilops)と近縁であることが判明しました。この発見は、角竜類がアジアで誕生し、1億1000万年前頃にベーリング陸橋を渡って北米大陸へ移動した可能性を示唆しています。当時、地球は温暖化が進み、北極圏にも森林が広がっていたため、このような動物の移動が可能だったと考えられます。
化石の重要性
ササヤマグノームスは、日本で発見された角竜類の中でも保存状態が良好で、ユーラシア大陸東部で見つかった最も東の化石記録です。発見された化石には、頭骨や烏口骨、脛骨など17個の骨が含まれており、その多くが同じ個体に由来する可能性が高いとされています。この化石の発見により、アジアから北米にかけての角竜類の進化や生息域の広がりについての新たな知見が得られました。
ササヤマグノームスの発見は、日本における恐竜研究の新たな一歩であり、今後のさらなる調査によって、より多くの恐竜の発見が期待されています。