三畳紀はなぜ「恐竜の始まり」になったのか|大量絶滅後の世界で起きた逆転
三畳紀(Triassic Period)は、恐竜の歴史において「始まりの時代」と位置づけられます。ただし、この時代は最初から恐竜が繁栄していたわけではありません。むしろ、恐竜は生態系の片隅に現れた、ごく目立たない存在でした。
それでも最終的に恐竜が地球を支配する存在へとつながっていく。その出発点が、三畳紀だったのです。この記事では、なぜ三畳紀が恐竜誕生の舞台となったのかを「環境」と「理由」から整理します。
よくある誤解|恐竜は最初から強かった?
恐竜は登場した瞬間から強者だった、というイメージを持たれがちです。しかし、三畳紀初期の恐竜は決して支配者ではありませんでした。
当時の陸上では、主竜類や大型両生類など、恐竜よりも優位な捕食者や競争相手が多数存在していました。恐竜はその中で、静かに生き残りの道を探っていた存在に過ぎません。
三畳紀とはどんな時代だったのか
三畳紀は、約2億5200万年前から約2億100万年前まで続いた中生代最初の時代です。その直前には、地球史上最大級の大量絶滅であるペルム紀末大量絶滅が起きていました。
この絶滅によって、海洋生物の約95%、陸上生物の約70%が姿を消し、地球の生態系はほぼリセットされた状態から再出発することになります。
大量絶滅後の世界が生んだ「空白」
三畳紀の最大の特徴は、生態系に競争相手がほとんどいなかったことです。強力な捕食者や支配的な動物が消え、多くの生態的な「空席」が生まれました。
恐竜は、この空白を埋める形で進化のチャンスを得た生物群のひとつでした。彼らが成功した理由は、突出した強さではなく、変化に耐えられる身体構造にありました。
パンゲア大陸と過酷な環境
三畳紀の陸地は、パンゲアと呼ばれる巨大な超大陸にまとまっていました。この配置により、内陸部は極端に乾燥し、気温差の激しい環境が広がっていました。
三畳紀の気候は安定しておらず、乾燥と湿潤、暑さと寒さが繰り返される過酷な時代でした。この環境に適応できない生物は、再び姿を消していきます。
なぜ恐竜が生き残れたのか
初期の恐竜は小型で、二足歩行を行う俊敏な動物でした。直立した脚構造は、エネルギー効率の良い移動を可能にし、広い環境を移動するのに適していました。
また、恐竜は体温調節や呼吸効率の面でも有利だったと考えられており、気候変動の激しい三畳紀において、安定して生存できる条件を備えていました。
三畳紀後半に起きた「逆転」
三畳紀の終盤、再び大きな環境変動が起こります。三畳紀–ジュラ紀絶滅事件です。この出来事によって、恐竜の競争相手であった多くの主竜類が姿を消しました。
結果として、生き残った恐竜たちは、生態系の中心へと押し上げられることになります。恐竜が支配者になったのは、この「選ばれた結果」でした。
まとめ|三畳紀は恐竜が「選ばれた時代」
三畳紀は、恐竜が最初から強かった時代ではありません。大量絶滅後の空白、過酷な環境、そして繰り返される環境変動の中で、生き残る条件を満たしていた生物が恐竜だったのです。
恐竜の時代は、偶然ではなく、環境に適応し続けた結果として始まりました。三畳紀は、その最初の一歩だったのです。