レドンダサウルスとは?三畳紀のワニそっくり頂点捕食者をやさしく図鑑解説
「レドンダサウルスって恐竜?」「ワニみたいだけど何者?」――結論から言うと、レドンダサウルス(Redondasaurus)は恐竜ではなく、三畳紀後期に北米で活躍したフィトサウルス類(植竜類)というグループの大型捕食者です。見た目はワニそっくりでも、ワニの直接の祖先ではありません。
この記事のゴール:レドンダサウルスの「正体(分類)」「いつ・どこにいたか」「どれくらい大きいか」「ワニとの違い」を、図鑑みたいに一気に整理します。
レドンダサウルスとは(まず結論)
レドンダサウルスは、後期三畳紀(ノーリアン~レーティアン頃)の北米にいたフィトサウルス類の一員です。成体は長い吻(ふん)を持ち、川や湖などの水辺で獲物を狙う“待ち伏せ型”の捕食者だったと考えられています。最大級の個体は、頭骨長が約120cmに達し、全長は最大で約6m級と推定されています。
- 分類:フィトサウルス類(植竜類)
- 時代:後期三畳紀(ノーリアン~レーティアン)
- 産地:アメリカ南西部(チンレ層群など)
- サイズ目安:最大で全長~約6.4m推定、頭骨長は幼体22cm~大型成体120.5cmまで報告
この「頭骨がめちゃ長い」「水辺の待ち伏せ捕食者」という点が、現生ワニとよく似た雰囲気を作っています。ですが決定的な違いもあります(後述)。
いつ・どこにいた?(北米の三畳紀末)
レドンダサウルスの化石は、主にアメリカ南西部の上部三畳系(チンレ層群など)から報告されています。三畳紀の終わり頃、川や湖が発達した地域で、多様な生き物と同じ環境に暮らしていたと考えられます。なお、ゴーストランチ(ニューメキシコ州)では、レドンダサウルスの幼体頭骨が見つかっており、同地の三畳紀生態系を知る手がかりになっています。
参考:レドンダサウルスは北米のフィトサウルス類の中でも地質学的に若い側(新しい時代)に位置づけられることが指摘されています。
大きさ・体つき・食性
レドンダサウルスは、成長段階でサイズが大きく変わります。報告されている頭骨長は幼体で22cm、非常に大きな成体では120.5cmまで幅があり、最大級は全長6m超に達した可能性があります。
- 頭骨:とにかく長い吻(ロングノーズ)
- 体:水辺向きの体型(ワニっぽい)
- 食性:魚や小型の脊椎動物などを狙う捕食者だった可能性
つまり「水辺でじっと待つ→一気に噛みつく」タイプ。三畳紀末の北米水辺で、かなり上位の捕食者ポジションにいたイメージです。
ワニと何が違う?(いちばん分かりやすい見分けポイント)
フィトサウルス類とワニ類は、パッと見は似ています。でも一番わかりやすい違いは、鼻孔(外鼻孔)の位置です。
- ワニ:鼻孔が吻の先端に近い
- フィトサウルス類:鼻孔が目の近く(頭骨の上側寄り)にある
この特徴はフィトサウルス類の大きな識別点として解説されることが多く、「見た目はワニでも別系統なんだな」と一瞬で理解できるポイントです。
レドンダサウルスの“ここがすごい”3ポイント
- 三畳紀末の“巨大ロングノーズ捕食者”:頭骨が非常に長く、最大級は全長6m級の可能性。
- ワニ型ボディの“別ルート進化”:ワニと似た生活をしつつ、系統は別(収斂進化っぽい面白さ)。
- 化石・標本が比較的知られている:幼体頭骨の研究などもあり、成長の変化を考える材料がある。
よくある質問(FAQ)
Q1. レドンダサウルスは恐竜ですか?
A. 恐竜ではありません。三畳紀に栄えたフィトサウルス類(植竜類)で、ワニに似た姿の別グループです。
Q2. どれくらい大きい?
A. 報告されている頭骨長は幼体22cm~大型成体120.5cmまで幅があり、最大級は全長6m超(約6.4m)に達した可能性があります。
Q3. ワニの祖先なんですか?
A. 直接の祖先ではありません。ワニと似た体型・生態を持ちますが、鼻孔位置などの特徴が異なり、別系統として扱われます。
まとめ:レドンダサウルスを一言でいうと
レドンダサウルスは、三畳紀後期の北米で水辺を支配した、ワニそっくりの巨大捕食者(ただし恐竜でもワニでもない)です。名前検索で来た人が「なるほど!」となるポイントは、鼻孔が目の近くという見分け方。ここだけ覚えておくと、フィトサウルス類全体が一気に面白くなります。