恐竜は“日焼け”していた?皮膚色素が語る紫外線との進化バトル
はじめに|日焼け止めがない時代に生きるって?
私たち人間が日差しを気にして帽子や日焼け止めを使うように、太陽の光──特に紫外線は生き物にとって無視できない存在です。
では、日傘もUVカットもない時代に生きていた恐竜たちは、どうやって紫外線と向き合っていたのでしょうか?
最近の研究で、恐竜たちにも日焼け対策として色素が発達していた可能性が浮かび上がってきました。
つまり、彼らは“日焼け”をしないように、進化の中でちゃんと工夫していたのかもしれないんです。
色素=進化の防御壁
私たちの肌に含まれる「メラニン」という色素。これは紫外線を吸収して、DNAへのダメージを防ぐ役割をしています。
実は、恐竜の一部の化石からもこのメラノソーム(メラニンを含む小さな粒)の痕跡が発見されているんです。
特に羽毛を持つ恐竜では、色の濃淡が紫外線対策と関係していた可能性があると言われています。
どんな恐竜が日焼け対策していた?
全身が羽毛に覆われていた小型の恐竜たちは、森林の中だけでなく開けた場所にもいたと考えられています。
そんな環境では強い日差し=リスク。だからこそ、濃い羽毛や皮膚の色が進化したのかもしれません。
たとえば、ジュラ紀後期のマニラプトル類やミクロラプトルには、黒っぽい羽毛の証拠が残されており、これが“日焼け対策”だった可能性があるのです。
「色」はただの見た目じゃない
恐竜の「色」は単にカムフラージュや求愛のためだけではありません。
紫外線から守る機能もあったとすれば、それは生存戦略の一部。
さらに、頭部や背中など日差しを受けやすい部位にだけ濃い色がある個体もいたようで、それが“恐竜なりの日焼け止め”だったのかもしれません。
日焼けの痕跡は化石に残る?
残念ながら「日焼けした跡」が化石にそのまま残ることはありません。
でも、紫外線によるダメージを減らす工夫が、化石化した構造や色素の痕跡としてわずかに残っていることがあります。
特に近年は電子顕微鏡での分析や分光測定によって、羽毛や皮膚の色まで推定可能になり、「恐竜の色素分布」が研究のホットトピックになっています。
おわりに|恐竜たちも太陽と戦っていた
太陽の光は命を育む一方で、時に危険な存在でもあります。
恐竜たちも、きっと日差しの強い日には木陰に逃げたり、色素の力で“紫外線バリア”をまとっていたのでしょう。
次に恐竜のイラストや模型を見るときは、「この子、ちゃんと日焼け対策してるのかな?」なんて、ちょっとした視点を持って眺めてみてください。
そこから新しい“進化の物語”が見えてくるかもしれません。